なぜエンドウを選んだのか?

今日は、遺伝の授業の二時間目です。

遺伝の話しに入る前に、全国には「天然記念物」と呼ばれるイヌがいることを知っているかな?

テレビ画面に
北海道犬 甲斐犬 四国犬 紀州犬」などを見せる

これらはどれも特徴があり、それぞれ同じ種の親同士から生まれてきている純血種だ。
他の犬との混ざりがないということで天然記念物だが、同じイヌといってもその特徴や性質が異なる。

このように
特徴のある形態や性質を形質
それを親から子へ受け継がれる現象のことを遺伝というんだ。

形質は生まれながらに持つものと成長して獲得するものがあるが、成長して得るものは遺伝しないことが知られているので、遺伝を詳しく定義すると「生殖細胞の持つ情報が子どもに伝わること」ということがいえる。

さて、この遺伝というのは1900年になってよく調べられるようになったので歴史は浅い!

エンドウといえば、ツタンカーメンのエンドウの話をみんなは知っているだろうか。
ここにツタンカーメンのエンドウの子孫を持ってきた。
このツタンカーメンのエンドウにはいわれがある。
戦後、日本は多くの救援物資をアメリカから送ってもらった。そのお礼に日本から桜の苗を送った。
その返礼として贈られたのが、ツタンカーメンの王墓から発見されたエンドウを育て続けた苗だった。
このエンドウは本当にツタンカーメンの墓から出たかは定かではないが、ヒトとヒトとのつながりによって
私も今こうやってみんなに見せることが出来る。これってすごいことだよね。


さて、話は戻って遺伝の話、20世紀にはいる以前にも遺伝の研究を行っていたヒトがいた。それがオーストリアのメンデルで2万8千ものエンドウを使って実験をしたんだ。彼は牧師で農業生産を高める研究をしていたのだがそのなかでどのようなエンドウの雑種がいいか調べる実験をしていたんだ。

ではなぜ、メンデルはエンドウを使って遺伝を調べたのか。それはエンドウには遺伝の研究をするのに都合のいい条件がそろっていた。

まず、
1 純系(先祖代々、同じ形質を持つ)が得られるということ
2 一つの親から多量に子孫が残せるということ
3 栽培が容易であること
4 世代が短い
5 対立形質(同時に起こらない相反する特徴)がはっきりしている

なぜこのような条件を持つことが出来たか、それはエンドウの花の構造の特長による

今まで4月から多くのマメ科植物を見せてきたと思うが今日の日のために見せてきた。
マメに花はおしべとめしべが花に包まれていてむき出しになっていない。
そのため 自家受精という。

自分で作った花粉で自分のめしべにつけて受精するということができるんだ。

このように受精をコントロールできるということが遺伝の研究で大切になる。
次回はこの受精のコントロールの話から

授業が終わって
最初の導入です。メンデルの遺伝にはいる前に遺伝の研究で大事なことを押さえました。
この日のために朝3時まで準備してきたのですが、準備してきたものをつかわずに終わりました。
なんだったんだろう。寝不足感だけが残ります。

今年はイノシシ年ということでイノシシとブタの関係とか話をしたかったのだが・・残念。